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仮想通貨の税金:雑所得の計算と経費の考え方

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個人の仮想通貨(暗号資産)取引で得た利益は、原則として総合課税の「雑所得」に区分されます。売却だけでなく、仮想通貨同士の交換、商品・サービスの支払い、マイニング/ステーキング/Airdropなどでも課税関係が生じます。国税庁は計算の指針やエクセル計算書、評価方法(総平均法/移動平均法)を案内しており、同一年は選んだ方法を継続適用するのが原則です。

目次

先に要点(ここだけ押さえればOK)

  • 所得区分は原則雑所得(総合課税)。累進税率+住民税が適用。損失の繰越控除は不可(同じ雑所得内での通算のみ可)。
  • 課税は円換算が基本。売却だけでなく仮想通貨⇄仮想通貨の交換時にも時価で課税。
  • 原価計算は総平均法 or 移動平均法を選択し、同一年は継続。国税庁の計算書テンプレあり。
  • マイニング/ステーキング/Airdropは受取時点で雑所得として認識(円換算)。その後の売却時は、受取時価が取得価額。
  • ハードフォークで得た資産の取得価額は原則0円とされ、売却時に全額が所得(必要経費控除前)に。

1. 課税タイミングと「何が課税されるか」

  • 売却(円転):売却価額 −(取得価額+手数料)=所得。
  • 仮想通貨⇄仮想通貨支払った側は、支払時点の時価(円)で譲渡があったとみなされ、所得を計算。
  • 商品・サービスの決済:支払時の時価で譲渡があったとみなし所得計算。
  • マイニング/ステーキング/レンディング利息受取時の時価(円)が雑所得として計上。その後の売却時は受取時価が取得価額。
  • Airdrop:受取時の時価を雑所得計上(個別の事情で扱いが異なる場合あり)。
  • ハードフォーク:取得価額は0円→売却時に全額が所得(必要経費差引後)。

2. 収入金額と必要経費(雑所得の基本式)

雑所得の金額=総収入金額 − 必要経費。仮想通貨では取引単位ごとに円換算し、年間で合算します。国税庁FAQは原価の計算手順(年初残・年中取得・年末残)と評価方法を具体例で示しています。

例:BTCの売却(総平均法)

  1. 年初に1BTC(簿価300万円)、年中に2回購入(合計200万円)。
  2. 年末に1.5BTC保有。年末の1BTCあたり取得価額(総平均)を算出。
  3. 年中の売却分について、売却価額 − 譲渡原価 − 手数料=所得。

※総平均法/移動平均法の具体例は国税庁資料で数値シミュレーションが公開されています。

3. 評価方法の選択:総平均法 vs 移動平均法

方法概要向き/注意
総平均法年初残+年中取得の合計原価を総量平均年間トータルで見やすい。期中の頻繁な入出庫を均す
移動平均法取得の都度、平均単価を更新トレードが多い人向け。計算はやや手間

※いずれかを選び同一年は継続適用が原則。選定の届出手続の案内も公開されています。

4. 経費にできる/できないの目安

雑所得の必要経費はその所得を得るために直接要した費用が対象。代表例は以下。

  • 売買手数料・スプレッド相当(手数料は取得価額や譲渡費用に算入)。
  • 送金手数料・ガス代(取得・売却のために要したものは原価や譲渡費用へ)。
  • マイニング関連:電気代、マイニング機器(減価償却)、関連ソフト等のうち、業務関連部分

※家事按分が必要な費目(通信費・電気代など)は合理的な配分根拠をメモ。

5. よくある取引の計算フロー

5-1. 仮想通貨→仮想通貨(ETHでNFT購入)

  1. 支払ったETHの支払時点の時価(円)を把握。
  2. その円額 − ETHの取得価額(平均単価×数量) − 手数料 = 雑所得。
  3. NFTの取得価額はその支払時価+ガス代が基準。

※支払時に譲渡が成立し課税される点が落とし穴です。

5-2. ステーキング報酬→後日売却

  1. 受取時に受取数量×受取時価(円)を雑所得として計上。
  2. 後日売却時の取得価額は①の受取時価。売却価額 − ① − 手数料が所得。

5-3. ハードフォークで付与→売却

  1. 取得価額は0円(原則)。
  2. 売却価額 − 手数料 = 所得(必要経費控除前)。

6. 損益通算と申告の注意

  • 同じ雑所得内での損益通算は可能(例:仮想通貨の利益と同区分の雑所得の損失)。ただし翌年以降への繰越は不可
  • 給与のみの人でも、年間所得の合計が基準を超えると確定申告が必要。住民税の申告も忘れずに。
  • 国税庁はエクセル計算書(総平均法/移動平均法)を公開。記録・保存とあわせて使うと効率的。

7. 記録・保管の方法

  1. 取引履歴(CSV)を全取引所・全ウォレットでダウンロード・バックアップ。
  2. 取引ごとの日時・数量・対価通貨・円換算レート・手数料を残す。
  3. ステーキング・レンディングは受取日時・数量・時価をログ化。
  4. ハードフォーク・Airdropの付与ログ、スナップショット日時を控える。
  5. 採掘設備・電気代などは領収書・請求書を保存、家事按分の根拠をメモ。

8. つまずきポイント(誤解あるある)

  1. 「現金化していないから課税されない」仮想通貨同士の交換や決済でも課税されます。
  2. 「年末残を時価で評価して益出し/損出しできる」未実現は課税対象外。課税は譲渡等が生じた時
  3. 「平均法は毎年好きに変えられる」同一年は継続適用が原則。方法選定は慎重に。

9. チェックリスト

  • □ 今年の評価方法(総平均/移動平均)を決めている
  • □ すべての取引を円換算で記録している
  • □ ステーキング/マイニングは受取時点で計上した
  • □ 手数料・ガス代を取得価額/譲渡費用に反映した
  • □ 同じ雑所得内の損益を通算している(ただし繰越不可)
  • □ 国税庁の計算書テンプレに転記して整合性を確認した

10. まとめ

仮想通貨の税務は「円換算・平均法・課税タイミング」の3点を押さえれば迷いが減ります。売却や交換、報酬の受領時点で課税関係が生じること、平均法を選んで継続適用すること、費用(手数料・ガス代・電気代等)は適切に原価・必要経費へ組み込むこと。最後に、履歴の収集と保存は最強の節約です。国税庁の資料と計算書を活用し、早めに仕訳・集計を進めましょう。

最終更新日:2025年11月10日

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