「新NISAってよく聞くけど、結局なにがどうお得なの?」
「旧NISAと何が違うのかイマイチわからない…」
そんな人向けに、この記事では2024年から始まった新NISAの基礎知識をわかりやすく整理します。
- どんな制度なのか
- いくらまで非課税で投資できるのか
- 何を買えるのか
- どんな人に向いているのか
上記4つを順番に解説していきます。
これから資産運用を始めたい人も、旧NISAから新NISAへの切り替えで迷っている人も、まずはここから押さえておきましょう。
新NISAとは?簡単にあらわすと「一生使える非課税の投資枠」の制度
NISAは、投資の利益にかかる税金(約20%)が非課税になる制度です。
2024年からスタートした新NISAでは、この仕組みが大きくパワーアップしました。
新NISAのざっくりポイント
- 生涯で使える投資枠:最大1,800万円
- そのうち成長投資枠は最大1,200万円
- 毎年の投資枠は年間最大360万円
- 非課税期間は“無期限”(期限がない)
- つみたて投資と成長投資を同じ口座で併用できる
旧NISAでは「一般NISA」「つみたてNISA」など複数の制度が分かれていて、期間も5年・20年とバラバラでした。
新NISAではそれが一本化されて、使いやすく・非課税機関も撤廃されて続けやすい制度になっています。
新NISAの2つの枠:「つみたて投資枠」と「成長投資枠」
新NISAには、目的に応じて使い分けられる2つの投資枠があります。
① つみたて投資枠
- 年間投資上限:120万円
- 対象商品:金融庁が認めた「長期・分散・積立」に向いた投資信託など
- イメージ:コツコツ長期で資産形成をするための枠
いわゆる旧NISAであった「つみたてNISA」の進化版です。
投資初心者の人でも続けやすいように、投資商品は厳選されています。
② 成長投資枠
- 年間投資上限:240万円
- 対象商品:個別株式・ETF・REIT・一部の投資信託など
- イメージ:値上がり益や配当などを狙って、より積極的に増やしていく枠
こちらは、自分で銘柄を選びたい人・リスクを取ってリターンを狙いたい人向けです。
2つの枠を合計して、年間360万円まで非課税で投資できる
その累計が生涯1,800万円まで、というイメージです。
生涯投資枠1,800万円の内訳と考え方
新NISAでよく出てくるのが「生涯投資枠1,800万円」という言葉です。
生涯投資枠の内訳
- 合計:1,800万円
- つみたて投資枠:最大1,800万円までOK
- 成長投資枠:最大1,200万円まで
つまり、極端な話をすると、
- つみたて投資枠だけで1,800万円使い切っても良いし
- つみたて投資枠+成長投資枠を組み合わせても良い
つまり“配分の自由”があります。
「枠は減ったら終わり」ではなく「売れば枠が復活する」
新NISAの大きなポイントは、売却するとその分の枠がまた空くという点です。(回復する枠は売却した年の翌年1月の初営業日に回復します。ただし、非課税枠が回復してもその年の年間投資枠は通常通りの積立投資枠が120万円で、成長投資枠は240万円の合計360万円を超えて投資することはできません。)
- 例:成長投資枠で100万円分の株を購入
- その後、株を売却してポジションをゼロに
- → 生涯投資枠の使用額も、その分減ってまた新しく投資に使える
旧NISAでは「一度使った枠は、期間が終わるまで復活しない」という仕組みでしたが、
新NISAでは売却により枠が再利用できる“循環型”のイメージになっています。
新NISAで買えるもの・買えないもの
買える主な商品
- 上場株式(日本株)
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
- 投資信託・一部の公募投信
基本的に買えないものの例
- 未上場株式
- レバレッジ型・インバース型など、値動きの激しすぎる投信(つみたて投資枠では特に対象外)
- FXや仮想通貨など、NISAの対象外商品
※細かい条件は証券会社や商品ごとに異なるため、実際に商品選びをするときは、口座開設前に各社の新NISA対象商品一覧を確認しておくと安心です。
新NISAのメリット:資産形成に向いている理由
1. 非課税のメリットがとにかく大きい
通常、投資で利益が出ると、約20%の税金がかかります。
- 例:利益100万円なら ⇒ 約20万円が税金で引かれる
- 新NISAなら ⇒ その20万円も含めて丸ごと自分の資産になる
長期でコツコツ積み上げるほど、過去の歴史上では長期で資産運用をすることは資産を増やす有効的な手段であるということが示されているのでNISAの「税金がかからない」という効果が無期限で非課税になるという制度が新NISA最大の魅力です。
2. 非課税期間が「無期限」
旧NISAでは、5年・20年など「期限」がありました。
新NISAでは、いったん買った商品をいつまで持っていても非課税です。
- 「何年で売らなきゃいけない」プレッシャーがなくなる
- 長期の値上がりや複利効果を狙いやすい
という意味で、長期投資と非常に相性が良い制度になりました。
新NISAの注意点・デメリットも知っておこう
「お得」「有利」と言われる新NISAですが、もちろん注意点もあります。
1. 損失は普通の口座と損益通算できない
新NISA口座で出た損失は、通常の特定口座・一般口座との損益通算ができません。
- NISAでマイナス
- 特定口座でプラス
となった場合でも、NISAのマイナスを特定口座のプラスと損益通算によって税金を減らすことはできない点は押さえておきましょう。
2. 元本保証ではない
新NISAはあくまで「税金が優遇されるだけ」であり、元本が保証されているわけではありません。
- 投資した金額が減る可能性は当然ある
- 特に株式や成長投資枠の商品は値動きが大きい
という前提は、必ず理解しておく必要があります。
3. 枠があるからといって、無理に枠いっぱい投資する必要はない
生涯1,800万円・年間360万円と聞くと、
「早く枠を使い切らなきゃ損」と感じる人もいます。
しかし、大事なのは自分の家計やライフプランに合ったペースです。
- 無理に捻出して生活が苦しくなる
- 生活防衛資金まで投資に回してしまう
といった状況にならないよう、「使える金額」と「守るべきお金」の線引きを先に決めておきましょう。
どんな人が新NISAを使うべき?
① 投資初心者で、これから資産形成を始めたい人
- 少額でもコツコツ積立したい
- 銀行預金だけでは不安
- 最初はなるべくリスクを抑えたい
こういう人は、まず「つみたて投資枠」から始めるのがおすすめです。
投資信託を使って、世界中の株式・債券などに自動的に分散投資できる商品も多く、「勉強しながら運用を続けやすい」のが強みです。
② すでに投資経験があり、積極的に増やしたい人
株式投資や投資信託の経験がある人なら、
- つみたて投資枠で長期の土台づくり
- 成長投資枠で個別株・ETFなどを組み合わせてリターンを狙う
といった使い分けが可能です。
「安定性」+「成長性」のバランスを、自分でデザインできるのが新NISAの魅力です!
新NISAを上手に活用するための考え方
1. まずは「つみたて」から土台を作る
いきなり成長投資枠で個別株をガンガン買うよりも、
- つみたて投資枠で、毎月決まった額をコツコツ積み立て
- 資産の土台を固める
- 余裕が出てきたら成長投資枠も活用
という順番の方が、失敗しにくく・続けやすいです。
2. 投資額は「無理なく続けられる」金額から
新NISAは「長く続ける人」が有利な制度です。
- 1万円でも、3万円でも、「続けられる額」でスタート
- ボーナス月など、余裕が出やすいタイミングに絞って追加投資してもOK
といったイメージで、無理のないペースを守ることが大切です。
3. 相場の上下で一喜一憂しすぎない
新NISAは長期視点の制度なので、
- 1か月〜2ヶ月の値動きで判断しない
- 大きく下がっても、むしろ「安く買えるチャンス」と捉える視点も大事
上下をあてるという気持ちよりも老後などを見据えて勝つ確率が高いと歴史上言われている長期投資の気持ちを持つことが重要です。
もちろん、不安になったときは、自分のポートフォリオや投資額を見直し自分にあったリスクのバランスを調整することも大切です。
まとめ:新NISAは「長期で資産を育てるための土台」
最後に、この記事の内容を整理します。
- 新NISAは、生涯1,800万円まで非課税で投資できる制度
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を組み合わせて使える
- 非課税期間は無期限で、売却すれば枠が復活する
- 元本保証ではなく、損失が出るリスクはある
- 損失は通常口座との損益通算ができない点に注意
- まずはつみたて投資枠から始めるのが、多くの人にとって現実的
- 無理のない金額・ペースで、長く続ける人ほど新NISAの恩恵を受けやすい
新NISAは、「投資を始めたいけれど何から手をつけていいか分からない」という人にとっても、とても使いやすく、長い目で見れば人生の味方になってくれる優良な制度です。
まずは証券会社の新NISAページをチェックして、
- どんな商品が選べるのか
- いくらから積立できるのか
などを確認しつつ、あなたのライフプランに合った活用方法を考えてみてください。