FXに興味を持つきっかけは人それぞれです。
- 給料以外の収入源がほしい
- 将来のために投資の勉強をしたい
- SNSで稼いでいる人を見て、自分もやってみたくなった
どんな理由であれ、実際にお金を入れてトレードを始める前に、必ず考えておきたいこと・準備しておくべきことがあります。
それを飛ばしてしまうと、
- ルールがないまま「なんとなくトレード」
- 気づいたらお金もメンタルも消耗
- 「FXは危ないだけ」と感じて１つの資産運用方法を捨てることになる
というパターンになりがちです。
この記事では、FXをするにあたって
「事前に考えないといけないこと」
「始める前に必要な準備」
それらをできるだけわかりやすく整理してお伝えします。
これからFXを始める方は、一度この記事を読みながら自分の状況を書き出してみてください。
1. FXを「なぜやるのか？」目的とゴールを言語化する
最初に一番大事なのが、FXをやる目的とゴールをはっきりさせることです。
1-1. 目的があいまいだと、ブレやすくなる
- なんとなく増えたらいいな
- 副業になるかもしれない
- とりあえずやってみる
このレベルの目的意識だと、最初にあっさり負けたときに簡単に心が折れやすいです。
逆に、目的がもっと言語化されていると
- 今のトレードは、その目的に合っているか？
- これは「一攫千金」狙いになっていないか？
と、自分を客観視しやすく真剣に取り組めます。
1-2. 目的とゴールの例
例えばこんな形でイメージしてみるのはどうでしょうか。
- 「月5万円のプラスを3年以内に安定して出せるレベルになりたい」
- 「長期的に資産運用の知識・経験をつけるためにFXを学ぶ」
- 「将来の年金不安に備えて、複数の収入源のひとつとしてFXを学びたい」
紙に一度書いてみると、自分がどのくらいの期間・どのくらいのリスクを取るつもりなのかも見えてきます。
2. 「使ってもいいお金」を決める：生活防衛資金は別腹
FXをする上で絶対に外せないのが、お金の“区別”をつけることです。
2-1. 生活費とFX資金は、必ず分ける
FXに使うのは、
- 無くなっても生活が破綻しないお金
- 数ヶ月〜半年以上の生活費とは切り離したお金
に限定するべきです。
具体的には、
- 生活費 6ヶ月分～12か月分は、銀行預金などで確保
- その上で「この分は投資に回してもいい」という額をFX用資金にする
というイメージです。
2-2. 「この資金がゼロになったら、一度立ち止まる」と決めておく
FXをしていると、負けが続いたときに「取り返したい」という気持ちが必ず出てきます。
そのときに備えて
「この金額を割り込んだら、一度FXから距離を置いて見直す」
という引き返すラインを決めておきましょう。
これを事前に決めているかどうかで、将来のダメージが大きく変わってきます。
3. 自分の「性格」と「生活スタイル」を把握する
FXのスタイルは、人によって合う・合わないが大きく分かれます。
そのカギを握るのが、自分の性格と生活リズムです。
3-1. 性格による向き・不向き
- コツコツ型か、一発勝負型か
- 待つのが得意か、すぐ動きたくなるタイプか
- 損を確定させるのが苦手か、切り替えが早いタイプか
自分の性格を客観的に見ることで、
- デイトレ向きか、スイング向きか
- 短期売買がいいのか、少し長めに持つほうが合うのか
といった方向性のヒントが見えてきます。
3-2. 生活スタイルから「取引時間帯」を考える
- 会社員で日中はチャートが見られない
- 子育てや家事で、夜遅くまでは集中できない
- 夜勤・シフト勤務で、生活リズムが不規則
こうしたライフスタイルによって、自然とトレードに使える時間帯や時間の長さは変わります。
生活スタイルに逆らったトレードスタイルを選ぶと
- 無理して眠い時間にチャートを見る
- 注意力が散漫な時にエントリーしてしまう
など、事故が増えがちです。
まずは、今の生活に無理なく合わせられるスタイルを選ぶことも、大切な「考えておくべきこと」です。
4. FX特有のリスクと仕組みを理解しておく
「なんとなく儲かりそうだから」ではなく、FXという商品自体の特徴とリスクを知っておく必要があります。
4-1. レバレッジとロスカット
FXの大きな特徴はレバレッジです。
- 少ない証拠金で大きな金額を動かせる
- うまく行けば利益も大きくなる
- 逆に動けば損失も一気に膨らむ
さらに、損失が一定ラインを超えると、強制的にポジションを決済される「ロスカット」が発生します。
どのくらいのレバレッジで、どのサイズのポジションを持つのか。
ここを事前に考え、資金管理のルールを決めておくことが重要です。
4-2. スプレッドやスワップなどの「見えにくいコスト」
FXには、スプレッド（買値と売値の差）やスワップポイント（金利差）といった、目に見えにくいコストも存在します。
- スプレッドが広い通貨ペアほど、短期売買には不利
- スワップポイントは長期で効いてくる
- 手数料無料でも、スプレッドで実質コストが発生している
こうした仕組みを理解しておくと、「なんとなく高金利通貨を買う」「なんとなくスキャルピング」という危険な選択を避けられます。
5. 最低限そろえておきたい「環境」と「道具」
FXをするには、当然ながら取引できる環境づくりも必要です。
5-1. 取引環境
- 安定したインターネット回線
- スマホだけでなく、できればPCも用意
- 長時間座っても疲れにくいデスクと椅子
特に、決済のタイミングで回線トラブルが起きると、一瞬で大きな損失につながることがあります。
「回線＋端末」は“自分のトレードを守る道具”と考えて必要経費として整えておきましょう。
5-2. 取引ツールとチャートソフト
- FX会社が提供するツール（スマホアプリ・PCツール）
- チャート分析に使うツール（MT4/MT5など）
最初は「見やすくて、注文しやすいか」だけに注目すればOKです。
慣れてきたら、
- 時間足の切り替え
- インジケーターの表示
- 水平線・トレンドラインの描画
など、自分のスタイルに合うようにカスタマイズしていきましょう。
6. 学びの「優先順位」を決める
FXの情報は無限にあります。
だからこそ、何から学ぶかの順番を決めておくことが必要です。
6-1. 最初の3ステップ
- 仕組みとリスクの理解
レバレッジ・ロスカット・スプレッド・スワップなど - チャートの基本
ローソク足・時間足・トレンドとレンジ・水平線 - 資金管理とメンタル
損切りルール・1回のリスク・連敗時の対処
この3つが土台です。
その上で、
- テクニカル分析（移動平均線・MACD・RSIなど）
- ファンダメンタルズ（経済指標や金利など）
- トレードスタイル別の戦略
と、少しずつ学びを広げていくイメージです。
6-2. 「教材コレクター」にならない
本・動画・オンライン講座…
学びの手段はたくさんありますが
- 学んだ内容を「自分のトレード」に反映
- そして必ず「振り返り」をする
ところまでセットでやって、初めて意味があります。
「知識を増やすこと」が目的化してしまうと、勉強しているのに結果が出ないという状態になりがちなので注意しましょう。
7. 自分なりの「ルール」と「やらないことリスト」を作る
FXをするにあたって本当に大事なのは、「自分のルール」と「絶対にやらないこと」を決めておくことです。
7-1. 取引ルールの例
- 1回の損失は口座資金の◯％以内
- エントリーは、上位時間足のトレンド方向に限定
- 経済指標発表の◯分前後は新規ポジションを取らない
- チャートを見始めて◯分以内に、無理にエントリーしない
こうしたルールは、最初から完璧でなくて構いません。
トレードをしながら、少しずつ自分に合う形に調整していけばOKです。
7-2. 「やらないことリスト」の例
- ナンピンで無限にポジションを増やしていく
- 感情的になってロットを急に増やす
- お酒を飲んでいるときのトレード
- 眠い・疲れている・イライラしているときのトレード
「やらないこと」を決めておくことで、
一時の感情に振り回されて取り返しのつかないトレードを防ぐことができます。
8. FXを続けるために必要な「健康」と「メンタル」
意外と見落とされがちですが、FXをするにあたって大切なのが健康とメンタル管理です。
- 睡眠不足で判断力が鈍る
- ストレス解消のつもりで無茶なトレードをする
- 負けを家族や仕事に持ち込んでしまう
これでは、どれだけ手法が優れていても、うまくいきません。
8-1. FXは長期戦。「生活を壊さない」が大前提
FXは、一時的な「ギャンブルモード」になった瞬間に、それまで積み上げたものを一気に失うリスクがあります。
- 睡眠時間
- 仕事や家族との時間
- 趣味やリフレッシュの時間
これらを極端に削ってまでFXに集中するのは、長期的にはマイナスです。
「FXをする“ため”に生活する」のではなく、「生活をより安定させるための“ひとつの手段”としてFXを使う」
という視点を忘れないようにしましょう。
まとめ：FXを始める前に「自分自身との約束」を決める
FXをするにあたって、考えておくべきこと・必要なことを整理すると次のようになります。
- なぜFXをやるのか？ 目的とゴールを言語化する
- 生活防衛資金とFX用資金を分ける
- 自分の性格・生活スタイルに合うトレードスタイルを考える
- レバレッジ・ロスカット・スプレッドなどの仕組みを理解する
- 取引環境（回線・端末・ツール）を整える
- 学びの優先順位を決めて、知識と実践をセットにする
- 自分なりのルールと「やらないことリスト」を作る
- 健康とメンタルを守りながら、長く続けられる形を整える
FXは、ただ口座を開いてチャートを見始めればいいわけではありません。
始める前にどれだけ準備と「自分との約束」を作れているかが、その後の運命を大きく変えます。
この記事をきっかけに、一度ノートやメモアプリを開いて、あなたなりの「FXをする条件」「守るべきルール」を書き出してみてください。
それが、感情に振り回されない、落ち着いたトレードを続けるための第一歩になります。
