「FXってどう始めて、どんな順番で取引するの？」——はじめての方はここで全体像→1日の動き→注文→決済→振り返りの順に流れを掴みましょう。チャートの読み方より先に手順を固めると、迷いが減り、損切りや利確がブレません。
目次
先に結論（ここだけ読めばOK）
- FXは通貨ペアのレート変動を売買して差益を狙う取引。個人はFX会社を通じて参加できます。
- 1日の基本は準備→執行→管理→振り返り。この型で感情を制御。
- 注文は指値・逆指値・IFDOCOで自動化。逆指値なし＝事故と思うこと。
- 1回の損失を口座の0.25％〜0.5%に固定すれば安定性が増します。
1. 市場のしくみ：どこで値段が決まる？
- インターバンク（銀行間）市場…世界の大手銀行・機関が相対で取引。ここで形成されたレートが土台。
- FX会社…複数のリクイディティ・プロバイダーからレートを受け取り、個人投資家へBID/ASKを提示。BID/ASKの差がスプレッド（実質手数料）。
- 取引時間…おおむね月曜早朝〜土曜早朝（日本時間）。東京・ロンドン・NYの重なる時間帯は動きが出やすい。
2. 取引スタートまでの準備（投資口座開設〜初期設定）
- 口座開設：本人確認→審査→入金。1,000通貨対応・スマホアプリの指値/逆指値/IFDOCO対応を確認しましょう。
- 基本単位：pips（最小変動）とロット（数量）を把握。USD/JPYは通常0.01円=1pips、国内取引所は1万通貨=1ロットが一般的。
- レバレッジ/証拠金：必要証拠金＝取引金額÷レバレッジ。維持率が一定以下でロスカット（強制決済）。
- 許容リスク%：1回の損失上限を投資口座の0.25％〜0.5%に固定（冷静でいられるポジションサイズに！）。
3. 投資家の1日の流れ（テンプレ）
| 時間帯 | やること | 目的 |
|---|---|---|
| 朝 | 前日の高安・重要ライン更新、経済指標やイベントの時刻確認 | 「今日はトレンド/レンジ？」の仮説を立てる |
| 昼 | 候補3ペアに絞り、入場価格・損切り・利確を先に設計 | エントリー前の意思決定を完了させる |
| 欧州〜NY | 指値/IFDOCOを設置。執行中はシナリオの存続だけ監視 | 自動化で衝動を遮断 |
| 夜 | 取引のスクショ保存、損益よりプロセス採点 | 翌日の改善点を1つだけ決める |
4. 注文の使い分け：迷わない最小セット
- 成行：今すぐ約定。重要イベント直後は思った価格からズレやすいので注意。
- 指値：狙い価格で待つ。エントリー＆利確の基本。
- 逆指値（ストップ）：損切り用。新規と同時に置くのと感情的にならないのでおすすめ。
- OCO：利確と損切りを同時に待機。
- IFDOCO：新規→（利確×損切り）を一括予約。睡眠中・仕事中もルール通りに売買が可能。
5. “入る前に決める”3点セット
- シナリオ：トレンド継続かレンジ相場か。根拠は高安の更新/水平線/MAなど。
- 損切り位置：構造が壊れた場所に置く。気分ではなくチャートなどのテクニカル分析で考慮しましょう。
- 利確計画：分割利確（1/2）＋トレールで伸ばす余地を残すと利益を伸ばしやすい。
6. 具体例：投資家の取引フローを追体験
前提：USD/JPY 日足は上昇。1時間足で押し目形成。
計画：149.80買い、損切り149.30（50pips）、利確①150.60（+80pips）で半分、残りは直近安値の内側でトレール。
ロット計算：残高100万円、許容リスク0.5%、損切り50pips、1pips=100円 → 1,000,000×0.005 ÷（50×100）= 1万通貨まで。
実行：IFDOCOで発注→就業中でもルール通りの仕組化。
結果：150.60到達で半利確、残りは150.95でトレール決済。プロセス◎（計画通り）。
学び：利益は“仕組みで伸ばす”と安定する。
7. コスト理解：勝敗より“隠れた手数料”が効く
- スプレッド…買値−売値。イベントなど重要な経済指標発表前後は拡大しやすい。
- スワップ…日またぎの金利差調整。高金利買い＝受け取りが多いが、為替差損で相殺されることも。
- スリッページ…狙いと約定のズレ。成行多用より指値中心で軽減。
8. リスク管理：過剰なロットで心を乱さない！
もっとも多い失敗は「損切りを伸ばす」「ロットを上げすぎる」。
ロット ＝（口座残高 × 許容リスク%） ÷（損切りpips × 1pips価値） を毎回使い、逆指値は新規と同時。
重要指標の前後30分は新規禁止（またはロット半減）など、時間のルールも併せて決めましょう。 過剰なロットで冷静な判断が出来ない経験をしたと思ったらリスク管理を見直しましょう！
9. 戦略の型（順張り/逆張り）
順張り・押し目/戻り型
- 4H/1Hで上昇・下降を判定（高安更新＋MA傾き）。
- 15分/5分で押し戻りの失敗を確認（ヒゲ・包み足など）。
- ストップは直近スイング外、目標値達成で半利確、残りはトレール注文で利益を伸ばす。
逆張り・レンジ回帰型
- 多点接触のボックス相場を確認（上端/下端）。
- 端で反転サイン→中央線付近で半利確。
- 予想に反した相場のブレイクアウトで即撤退（構造破綻）。
10. 投資家チェックリスト
- □ 今日の重要指標・要人発言の時刻をカレンダー登録
- □ 監視は3ペアまで（USD/JPY、EUR/JPY、USD/EURなど）
- □ 新規はIFDOCOで「利確＋損切り」を同時セット
- □ 1回の許容損失＝投資口座の0.25％〜0.5%で固定
- □ 連敗5回で打ち止め→当日は検証に切替
11. よくある悩み→原因→対処
| 悩み | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 損切りが遅れる | 損切りが価格ベース（気分） | 構造ベースで水平線の外に固定。IFDOCO前提 |
| 利確が早すぎる | 含み益を守りたい心理 | 分割利確＋同値ストップで伸ばす |
| エントリーが遅い | 入場条件が曖昧 | 文章で条件化し、チェックボックスで判定 |
12. 税と会計のミニ知識（超要約）
- FXは通常申告分離課税（先物取引等）で、他の同区分利益と損益通算が可能。
- 特定口座のような自動計算はないケースが多い。年間損益報告や明細の保管を習慣化。
13. 小さく始めて大きく間違えないために
- 1,000通貨で実践練習（デモと実践では心の感じ方も違うため取引に大きな違いがある）。
- 週1回のレビュー…合計リターン、勝率、リスクリターン、最大ドローダウンを表に。
- 翌週は「足す1つ・捨てる1つ」。徐々に成長することが大切！やり過ぎは続かない。
14. まとめ：流れを“型”にして感情を外す
投資家の仕事は、準備→執行→管理→振り返りを毎日同じ型で回すこと。
逆指値を同時設置し、ロットは式で決め、利確は分割＋トレール。
この“面白くないほど地味な運用”こそが、FXを長く続けて勝つFX投資家になる最短ルートです。
最終更新日：2025年11月16日
