「新NISAで買った商品を売りたい。どう操作すればいい? 税金はかからない? 枠は戻るの?」
初めての方でも迷わないように、売却〜現金化までの流れをやさしく解説し、見落としがちな注意点・税制の落とし穴まで一気にまとめました。
最初に要点(ここだけ押さえればOK)
- 新NISA口座内の売却益・分配金は国内税非課税(ただし外国源泉税は別、後述)。
- 同年の年間投資枠(360万円)は売却しても復活しない。復活するのは翌年以降の「非課税保有限度額」分(簿価ベース)。
- 売却代金の受取りは、約定の数営業日後(受渡日)。株式は概ね約定日から2営業日後であるT+2、投信は商品によりT+2〜T+5が目安。
- 新NISAの損失は損益通算・繰越控除が不可。損切り後に税務で相殺はできない。
- 特定口座で保有中の資産は新NISAへ直接移せない(一度売却→NISAで買い直しが必要)。
1. 「売り方」基本的な流れ(証券会社共通の考え方)
- 口座区分を確認:売りたい商品が「新NISA口座」にあるかを保有一覧で確認。
- 売却注文を入力:成行 or 指値、数量(口数/株数)を指定。
※投資信託は1円/1口単位など証券会社の仕様を確認してください。 - 約定の確認:株式は市場で即日約定することが多く、投信は基準価額(当日or翌営業日)で約定。
- 受渡日(決済日)に現金化:株式は原則T+2、投信はファンドごとにT+2〜T+5目安。
- 出金:証券口座の余力に反映後、銀行口座へ出金(所要日数は各社の出金サイクルに従う)。
参考:株式は約定日から2営業日後が受渡日(例:月→水)。投信の受渡は商品により2営業日〜5営業日が一般的です。
(根拠:SBI証券・約定/受渡FAQ、楽天証券・投信約定/受渡FAQ)
2. 「換金」時にやりがちなミス(チェックリスト)
- 受渡日まで現金にならない:口座の余力反映や出金可能日は受渡基準。支払い期日がある場合は早めに。
- 権利日直前の売却:配当・分配の権利確定日をまたぐと受取可否が変わる。急ぎの換金は日付を確認。
- 積立設定の消し忘れ:売却後も自動積立が継続していると、意図せず再購入される。
- 指値の置きっぱなし:古い注文が残ると意図せず約定することがある。不要な注文は取消を。
3. 売却後の「枠」はどうなる?(超重要)
新NISAは、非課税保有限度額(生涯1,800万円)を簿価で管理します。NISA内の商品を売却すると、その商品の取得額(簿価)に相当する非課税枠が翌年以降に再利用できるようになります。
ただし、当年の年間投資枠(合計360万円=つみたて120+成長240)は同年中に復活はしません。ここを取り違えると、年内の買い直し計画が狂いやすいので要注意です。
- OK:翌年以降、売却した簿価分を非課税枠として再利用。
- NG:売ったらその年の年間枠が戻る、という理解。
根拠:金融庁「NISAを知る/FAQ」および制度スライド、三菱UFJ銀行・NISA枠再利用FAQ ほか。
4. 税制の落とし穴:知らないと損しやすいポイント
4-1. NISAの損失は損益通算・繰越控除ができない
NISAは利益が非課税である一方、損失は税務上の救済(通算・繰越)対象になりません。課税口座(特定・一般)との損益通算も不可なので一般口座よりも損が出やすい銘柄を選ぶと税務上有効活用ができない場合があるので一般口座との使い分けには注意してください。
4-2. 海外ETF等の外国源泉税:NISAでもかかるが外国税額控除は使えない
例:米国ETFの配当は米国で源泉課税(原則10%)されます。NISAでは国内税が非課税のため、二重課税に該当せず外国税額控除が使えない点に注意。結果として配当は一部目減りします。
4-3. 課税口座→NISAへそのまま移せない
特定/一般口座で保有する株・投信を、新NISAへ直接移管は不可。今後非課税に組み替えたい場合は、一度売却して→NISAで買い直し(市場の価格変動・受渡の資金繋ぎに注意)。
4-4. 金融機関変更の取り扱い
新NISAでも年1回、手続期間の範囲で金融機関変更が可能。ただし、変更前のNISAで保有する商品は移せないため、売却→翌年以降に再利用の発想が必要です。
5. 売却の判断軸:いつ・なぜ売るかを考えてみましょう
- ライフイベント:住宅頭金、教育費、転職・独立など。受渡日から逆算して余裕を持つ。
- 資産配分の見直し:目標比率から大きく外れたら年1回のリバランスで調整。
- 商品入替:低コスト化やベンチマーク整合のため。当年は枠が戻らない前提でスケジュール。
6. はじめてでも迷わない「売却→現金化」チェックリスト
- □ 売りたい銘柄が新NISA口座にあるか確認
- □ 受渡日(株:T+2、投信:T+2〜T+5)と出金サイクルを確認
- □ 権利日・分配予定日などのイベント日を確認
- □ 積立設定の停止/金額変更を必要に応じて実施
- □ 年内の買い直しは年間枠が戻らない点を織り込む
7. よくある質問
Q. 新NISAで売却益に税金はかかりますか?
A. 日本国内では非課税です。海外ETFの配当などは現地源泉税が差し引かれます(外国税額控除は不可)。
Q. 売ったらその年の枠は戻りますか?
A. 戻りません。翌年以降に非課税保有限度額(簿価分)を再利用できます。
Q. 旧NISAの資産は新NISAへ移せますか?
A. 旧制度からのロールオーバーは不可。非課税期間終了後は課税口座へ払い出しが原則です。
公式・一次情報(ブックマーク推奨)
- 金融庁:NISAを知る(制度全体・枠の考え方)
- 金融庁:NISA よくある質問(簿価管理・翌年再利用)
- 金融庁:新NISA制度スライド(年間枠は同年復活せず 等)
- SBI証券:株式の約定日と受渡日(T+2)
- 楽天証券:投資信託の約定日・受渡日
- 三菱UFJ銀行:売却後の枠再利用の可否(翌年以降)
- マネックス証券:NISA配当と外国税額控除(適用不可)
- カブコム:特定口座→NISAへの直接移管は不可
- 楽天証券:旧NISAのロールオーバー終了について
最終更新日:2025年11月4日