目次
0. はじめに
「株価の上昇を狙いたい。でも現物を大量に買う資金はない…」——そんな悩みを解決するのがコールオプションの買いです。本記事では、初心者でも迷わず発注できるよう買い方の手順・判断基準・失敗しないコツを図表つきで徹底解説します。読んだ後には “コールオプションを買える” スキルが手に入ります。
1. コールオプションの買いとは?
- 定義:あらかじめ決められた「権利行使価格(Strike)」で原資産(日経平均など)を買う権利を購入。
- 最大損失:支払うプレミアム+手数料。これ以上は失わない。
- 最大利益:理論上無限大(原資産が無制限に上昇する可能性)。
💡イメージ:宝くじの“当たり券”を先に安く買っておき、株価が上がった時に高値で換金する感覚。
2. 5ステップで買ってみよう
| 手順 | 内容 | チェックポイント |
|---|---|---|
| ① シナリオ設定 | 上昇理由(決算、材料、テクニカル)を明確化 | 何%上がるかとどれぐらいの期間内で上がりそうかを数字で書く |
| ② 権利行使価格を選択 | 現在値からの乖離率を見る | ±1%〜±3%のATM/OTMが初心者向き |
| ③ 満期選択 | 期近 or 期先を選ぶ | Theta負け vs コストのバランス |
| ④ プレミアム確認 | IVと板のAsk価格をチェック | 過去30日IV平均は±1σ以内か? |
| ⑤ 発注&管理 | 逆指値と利確目安を設定 | OCO注文で自動化すると良い |
2.1 シナリオ設定例
- 材料株決算プレイ:直近5決算で平均+4% ⇒ 今回も同等上昇を狙う。
- テクニカルブレイク:日経平均が25日線クロス ⇒ 平均上昇幅+2.5%を期待。
2.2 権利行使価格の選び方
| 現在値 | 権利行使価格 | 種類 | 特徴 |
| 39,000円 | 38,875円 | ITM | 高コスト・成功確率高 |
| 39,000円 | 39,000円 | ATM | バランス型 |
| 39,000円 | 39,125円 | OTM | 低コスト・リターン大 |
初心者はATMに近いOTM(+0.5%〜+1%)を推奨:損益分岐点が遠すぎず、プレミアムも抑えられるため。
3. ギリシャ指標の基礎
3.1 主要ギリシャ指標(パラメーター)
| 指標 | 意味 | 買い手が見るポイント |
| Δ | 原資産1円変動の価格影響 | 0.3〜0.6が値動き素直 |
| Θ | 1日経過での時間価値減少 | −30円/日を超えたら回収検討 |
| IV | 予想変動率 | 高すぎるとコスト増 / 安すぎると値動き鈍い |
4. 利確と損切りルール
| 条件 | 判断基準 | アクション |
| 利確 | プレミアム2倍 or Δ>0.6 | 半分利確→残りトレール |
| 損切り | −40%〜50%下落 or Θ増大 | 撤退。次のチャンスを探す |
Tip: 確率的には “期待上昇幅>プレミアム×2” を満たすシナリオのみエントリーすると勝率が安定。
5. リアルトレード例
投資シナリオ:日経平均が38,500円→25日線を上抜け、+2%上昇の余地があると予測。
- 権利行使価格:38,875円のコールオプション、期近SQまで18日。Ask=75円。
- 買い:1枚=75円×1,000=75,000円。
- 損益分岐点:38,875+75=38,950円から利益。
- 結果:4日後終値39,200円(+1.8%)→ プレミアム160円。
- 利確:目標の半分(1枚中0.5枚)手仕舞い=+42,500円。残りはStopを120円に引き上げてトレース注文で利益を伸ばす。
6. よくある失敗と対策
| 失敗 | 原因 | 対策 |
| ① IVスパイクで高掴み | ニュース直後に慌てて買い | 直近30日の平均IVとの乖離率を考慮 |
| ② Theta負け | 期近5日以内で持ちっぱなし | 満期10日前ルールを徹底 |
| ③ ロット過大 | “安いから”と複数枚購入 | 資金の5%上限 / 枚数制限 |
7. まとめ:コール買いは“シナリオ×時間管理”
- コール買いは資金効率が高く、最大損失が限定的。
- 成功のカギは ①リアルな上昇シナリオ と ②Theta&IV管理。
- ATM〜ややOTM のStrikeを選び、満期10日前には手仕舞いorスプレッド化。
Next Action
□ 上昇の根拠を言語化
□ Strike&満期を数字で設定
□ プレミアム×2倍利確/−50%損切りを逆指値
——これだけで“ギャンブル買い”は卒業です。